無借金経営にこしたことはないが、事業は予期せぬ事態がつきものであり、資金のダムを作っておくことは大切なことである。
自社に合った銀行はどこか、慎重に検討しないといけない。
見栄をはって都市銀行と付き合う中小企業の経営者は多いが、信金・地銀・都市銀行とバランスよく口座を開設しておくのが賢明である。
そして、定期的に業務報告をしておいた方が良い。
決算期が3月であれば、5月末には税務署に提出する必要があり、申告が済んだらその足で銀行に報告しておく。
その際、今期の事業計画の内容、中期の事業の見通しなど自信をもって銀行に説明すべきである。
利益が出ているなら納税資金が必要であろうし、設備や運転資金の必要性も加味して予め手を打っておく。
切羽詰って資金を貸してといっても、すぐには融資に応じてくれない。
自社に有利に融資してもらうためには、日頃からの信頼関係構築がとても大切なのである。
銀行としても資金を融資してちゃんと回収できるのかを審査する必要があり、回収可能性のリスクに応じて債務者区分を決めている。
そういう意味で自社の格付けを事前に知っておくことも重要である。
正常先・要注意先・要管理先・破綻懸念先・実質破綻先・破綻先と大きく分けて6つに分類されるが、正常先の中で
も銀行によってはA.B.C.D.Eとさらに5段階の階層を設けており、取引は継続するけれども利上げによって取り扱い
に差異を設けている。
銀行の本質は「金貸し業」であり、回収可能性がないところには彼らは融資はしない。
利益が出ないと銀行員たちの給料も保証されないからだ。
そして代表者の連帯保証に始まり、利上げ・追加担保・定期預金への協力依頼などあの手この手で保険を要求してくる。
銀行にとってリスクが少ない信用保証協会付きの融資を勧めてくる。不良債権をいかに減らすか、引当金を積まないで済むような企業の開拓に懸命なのだ。
保証料を含めた実質金利がいくらなのかを常に頭に入れておかないと自社に有利な融資を引き出すことはできない。
そういう意味で、銀行の市場からの調達金利を探っておくのも大切なのだ。
日頃から日経新聞の金融欄の金利相場には眼を向けておこう。
まとめると銀行が取引先企業を判定するには、まず「安定性」、「収益性」、「成長性」など財務諸表などの数値的
分析(定量分析)から入り、その後に金融調査マニュアル別冊にあるような営業力・技術力・経営者の資質などの定性
分析をして評価をするということだ。
銀行とどう付き合っていくかは財務戦略の上でこの上なく重要なことであることを肝に銘じよう。
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