a1070_000112およそ事業とは困難の連続である。

谷底に落ちたときにその人の真価が問われる。

あらゆるものが自分から離れ、孤独に陥り、己の弱き心が現れる。

が、決して落胆することなかれ。

不遇の時にこそ見えるものが必ずある。

周りの反応を冷静に分析してみると良い。

損得勘定で付き合っていた友人は真っ先に姿を消すであろう。

表面上の心配をしてくれる友人は多いだろうが、頼むに足らない。

一番大切にすべきは良いことも悪いことも真剣になって諫言してくれる友人で

ある。

前田利家が信長に追放されたとき、親身になって諫言、守ってくれたのが

柴田勝家であり、森可成である。

また、自分の心を省みるいい機会でもある。

不遇に到った原因が必ず存在する。

そのときの自分の心に油断がなかったか、驕りがなかったか、私欲がなかったか。

冷静に省みるとき、再起への道が開けてくるものだ。

誰しも不遇の時代はあるものだ。

逆になければそれほど怖いことはない。

そのときにどう考え対処したか、真価が問われるのである。

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