a0070_000082業績が低迷してくると目ざとい社員は次の転職先を探し出す。

幹部社員のAも最近動き回っているらしいとの情報が入った。

得意先の社長がスポンサーになって会社を立ち上げると言う。

後継者として考えていた人物だ。

誰かが間違いなく入れ知恵をしているとわかった。

この状況で会社を辞められると手がまわらない。

ついに辞表が出た。

辞めてどうするんだ。

会社を立ち上げます。

そうか。

今まで頑張ってくれてありがとう。

かろうじてその場を取り繕ったが。

辞めて1週間後、得意先から電話が殺到した。

お宅の営業部長が新しく会社を立ち上げたので取引をしてくれときたよ。

なんと。

会社の内部事情を熟知しているAは手当たり次第に会社の顧客を当たっているらしい。

Aは創業間もない頃、勤めていた会社が倒産したので雇ってくださいと飛び込んできた人間だった。

当時には珍しい実直で根性のある男だった。

かなりショックを受けたが、人は生き方がそれぞれだから自分で経験していろいろ学んでいくしかない。

正道をはずした独立は必ずどこかでつまづきがやってくる。

一番手っ取り早いようだが、一番危険な独立の仕方だ。

因果応報の法則である。

小さくてもコツコツ積み上げていく中で、自分なりのスタイルを築いていってほしかったのだが。

ともあれ、離脱者がでる可能性も否定できない。

ここはしっかりとしなければ。

次から次へと押し寄せる困難。

事業とは次々と押し寄せる困難を解決していくことだ。

必要として与えられる試練なら、それを真摯に受け止めそこから何かを学ばなくては。

乗り越えられない壁は絶対にない。

すべて自分次第だ。

 

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