a0070_000251A社にも銀行担当者からの問い合わせが頻繁である。

債務者区分を上げるため、または維持するために経営改善計画書の提出を求める銀行やDDSを利用した劣後債(返済の優先順位が低い)の提案等。

銀行によって採りうる手法は実に様々である。

DDSの場合、銀行からの借入金は資本と同様に扱われることからBS上は見た目は良くなり、結果債務者区分も良くなる可能性がある。

銀行も生かさず、殺さず存続させながら回収を図りたいのである。

他方、A社の資金繰りからして返済に回せる原資は月に500万程である。

そこで、バンクミーティングを開き、各銀行に債権額に応じて返済額を提示した。

無論、メインバンクの担当者と事前に打ち合わせをし、この内容であれば各行も了承するであろうとの感触を得てからである。

私的な債権者集会ともいうべき状況である。

現在の状況、今後のキャッシュフロー、事業の方向性、実現可能性等細部にわたり説明をし、8社全行の了承を得られた。

あとは日々業務に専念し、結果を出すだけである。

交渉の仕方はいろいろであるが、大きく分けて金融機関、サプライヤー、経費関係等グループ毎に債権者集会なるものを開き、返済額の妥当性についてご理解をいただく場を設けている。

個別交渉ではお互いに疑心暗鬼になり、公平性を担保できないのではないかとの債権者心理を汲む必要性とみんなで決めたことに対する抜け駆け防止効果を狙っての理由からである。

事業とは実に山あり谷ありで、谷のときにどう対処できるかで経営者の価値が決まるといっても過言ではない。

決して逃げることなく、真正面から立ち向かうことで必ず壁を乗り越えられるようにできている。

そして、乗り越えた分だけ成長できるのである。

そういう意味で人生は何があっても上り坂である。

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