a0070_000172社長にとって資金繰りはもっとも重要な仕事である。

極端なことを言えば、資金がうまく回っていれば赤字でも、

借金があっても会社はつぶれない。

人間の体で言うと血液だ。

PL(損益計算表)に目を配る経営者は多いが、資金繰りは経理

担当者に任せっぱなしという経営者は実に多い。

たとえ業績が良くても、取引先の倒産や債権の回収難など

不足の事態に備える意味でも資金繰りはしっかりと押さえて

おく必要がある。

せめて日繰り表、月繰り表は自分で作成して資金の流れを

把握しておく必要がある。

仮に、資金難に陥った場合はどうすればよいのであろうか。

1. まずは仕入先に支払いの猶予を申し込んでみる。

 誠意をもって話をし、いついつまでに支払いますとの確固とした返答を

 すれば必ず待ってくれるものである。

 格好をつけてサラ金や街金などから借りてきてはいけない。

2. 次に、販売先に事情を話して売掛金の入金を早めてもらう。

 これも事情を説明すれば、月末入金のところを10日、20日と早めてもらえる

 可能性は大である。

 社長の日ごろの通信簿が問われる。

3. 同時に、銀行への借入れの打診も忘れてはならない。

 保証協会付の融資であれば、1ヶ月、プロパーであれば3週間くらいで

 実行となるであろう。

 気をつけないといけないのは、銀行担当者への説明の仕方である。

 この辺の銀行交渉術に関しては後日に委ねるが、慎重に、誠意をもって行う。

4. ここまでやっても資金ショートを起こす場合は、銀行への返済を待ってもらおう。

 多くは融資銀行の口座引落しになっているであろうが、預金を引き出して

 別の銀行口座に移しておこう。

 ただし、安易にリスケジュール(返済猶予)をしないほうがよい。

 その時点の会社の債務者区分にもよるが、新規での借入れが今後困難に

 なると事業運営がしづらくなる。

大雑把に述べてきたが、日ごろから資金繰りに目を向けて不足の事態に

備えることが何よりも大切だということは肝に銘じておいたほうがよい。

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