a0002_003636債務の返済に関し、相手方代理人である弁護士のA氏が来社した。

私はコンサルの立場から、B社の再生計画について細部にわたって説明した。

こちらが提案した返済計画案に対し、到底呑めない、担保を出せ、連帯保証人

をつけろとかなり一方的である。

気持ちはわからないではないが、ここは冷静に担保は出せないし、連帯保証人

など付ける気はないことを主張した。

そもそも連帯保証制度そのものを否定する私の立場からすると、とんでもない

ことを言う弁護士だとの印象がますます深まった。

それじゃ話にならない。

法的対応をせざるを得ない。

法的な対応とは何を想定されているのですか?

仮差押えですか?  支払督促で債務名義を得て強制執行ですか?

そんなこと君にしゃべる必要はない。

わかりました。

先生がそういうことでしたら、どうぞ手続きをお取りください。

すでにお話したとおり、ここを乗り切ればお互いにまた事業上の利益を享受

できると思っていますが、御社が他の協力していただける債権者を差し置いて、

自社のみの回収に走るというのならば、これ以上申し上げることはございません。

先生の採られる措置によって、事業が頓挫すれば民事再生とか破産とかも懸念

されますね。

(民事再生を申請すると、一定期間の猶予が与えられ、債権者は一切の督促を禁止される。

その間、債務者は再生計画を立案し、債権者集会の場で、債権者の賛否を問い、否決され

れば、そのまま破産へと移行する。)

そうなれば今後10年間で返済すべき再生配当金または破産による配当金しか当てにでき

ないですが、御社社長も当然ご了承済みですね。

そんなこと言われなくてもわかっている。

わかっていらっしゃるのなら、この再生計画案の方が現実的じゃありませんか。

お立場も理解できますが、ひとつご協力いただいて共にこの困難を乗り越えさせて

ください。よろしくお願いします。

後日、代理人弁護士から連絡がありなんとかご理解を得られ、収益弁済を開始している。

無理な返済は双方にとって命取りになる。

さらに、返済原資を確保するために資金繰り上支払準備金という科目をつくり、予期せぬ

事態に備えている。

 

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