a0027_002053これが実態か。

とある会社の応接室でデューデリを始めて1時間。

資金繰りの悪化を招く原因の一端を垣間見た。

売上総利益(粗利益)段階で赤字ならともかく、

粗粗利益(付加価値)段階で赤字なのだ。

つまり、材料費と外注加工費の合計が販売価格を

上回っている状態、お客様への奉仕価格を通り越して

「贈与」となっている。

これはひとたまりもない。

こんなことを続けていると資金繰りに行き詰るのは

時間の問題である。

では、何故こんな受注を黙認するのか。

営業部の売上至上主義と経営者の工場を回すためとの

言い訳が返ってきた。

全くもって論外である。

付加価値とは、売上から材料費、外注加工費等の外部調達費用

を差し引いた残りの金額であり、自社の人、物、金でどれだけの

価値を生み出すことができるかという指標になるものであるが、

戦う前にすでに奉仕しているのである。

せめて判断するのであれば、粗利益段階である。

販売管理費の削減等で将来、営業利益を出せる自信があるの

であれば、受注するかどうかは経営者の判断である。

分水嶺を間違っては存続はありえない。

がしかし、営業部からは特定の受注が赤字でもトータルで黒字なら

構わないのではないかとの反論が返ってくる。

よくあることだ。

そして得てしてそれらの受注は長続きしないか、最終的に赤字に

追い込まれるのである。

相手も商売だ。

時間をかけて採算案件を値切ってくる。

生産量を糧に、あるいは資金繰りの足元を見ながら、冷徹に。

この辺の所を経営者自身が徹底できるか、最初が肝心である。

値引き体質が染みついた企業は生き残れない。



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